プロフェッショナル

週遅れだが、昨日の放映日がアンコール放送だったので。
今回は、日本でより世界で有名な科学者。
世界で初めて量子テレポーテーションの実在を確認した人。
量子テレポーテーションとは、レーザーをある光学系に通すと特殊な性質を持った光になる。その光どおしを直角に衝突させると、そこに2個の量子が発生する。
発生した量子の片方に電圧をかけると、その性質がもうひとつの量子に瞬時に移動する。
これが量子テレポーテーションで、かのアインシュタインがその存在を予見していたという物理現象だ。
これは、将来人類の未来を変えるといわれ、最終的には量子コンピュータが開発されるといわれる。この量子コンピュータの性能は、現在のスーパーコンピュータが1000年かかる計算を、わずか数秒でやってのけるという。
この研究で、世界のトップを走るのが、今回の科学者。
この人は「科学はスポーツだ」という。
学生時代の基礎学問は、毎日の筋トレにあたり、実際に研究する研究者やその助手はプレイヤー、すべてを指揮する教授や助教授は監督になるという考えだ。
その人は、研究者達に対してこう言う。

「バントはするな、ホームランを狙え」*1
世界と戦う研究では、1番以外はビリと同じ。ならば思い切っていけ、と。
そして、世界最先端の研究の実験は、99%までが失敗の連続だと言う。そういう研究に必要なのは、「頭脳ではなく根性」
数限りなく繰り返される失敗にめげていては、研究は進まない。
さらに、こうも言う。

「失敗を楽しめ」
これはかつて、野茂に触発されてアメリカ留学をしたとき、挫折しかかった経験から生まれた哲学。たとえ失敗しても、その中には必ず得る物がある*2。だから、失敗してもそれを楽しむ気持ちで突き進め、ということだ。
研究のやり方は研究員の個々の判断に任せ、自分は最後にその責任を取る。それが“監督”である自分の役目だと考えている。
そして、彼の研究室からは、今も世界を驚かせる研究成果が出され続けている。

*1:「ホームランは狙って打て」とも

*2:たとえそれが、まったくの振り出しに戻るようなことであっても、「この方法は正しくない」と教えてくれたという意味では、得るものがあったということな訳だ