母奮闘

弟の部屋の障子がぼろぼろだというので、母が障子紙と糊を買ってきた。
貼ってくると勇んで出て行き、しばらくして、「紙が大きいから、切るためのカッター出して」と戻ってきた。
カッターを出してやると、それを受け取って作業の続きに入ったものの、またしばらくして、「切れない」と戻ってきた。
「刃を折ったら?」といったのだが、私にやって欲しいらしい気配ありありだったので、私が行くことに。
弟の部屋は、2枚の障子が床に並べられていて足の踏み場もない。
とにかく、母がさじを投げたカッターを手に、障子紙を切る。
切れるじゃないですか母上!?
私がすいすい切っていくと、母がとなりで感心している。
……これって、慣れですか?*1
切ったところで、私の仕事はおしまい。
「あとはやるから」との母を残し、私は一足先に戻る。
後で見たら、やっぱりきれいになっていた。

*1:私はかつて、毎日カッターを使ってダンボールを切って製品の梱包をする仕事を長年やっていた