プロフェッショナル

「プロフェッショナル 仕事の流儀」先週分を見る。
今日は、大手電機メーカーの部長職をなげうって、ベンチャー企業を立ち上げた人の話。
その会社は半導体メーカー。とは言っても自社工場を持たず、回路設計などに特化したメーカーで、業界でトップ争いを演じている。
それだけに、間違っていると思ったときにはすぐに改める決断をする。曰く「朝令暮改」だそうだが、すべては信念に基づくことだから出来る。軸が定まっていなくては、意味がない。
「どんな相手も切り捨てない」
台湾のメーカーから、話があった。出向いてみると、会社ごと買収して合併させてくれという。だがその相手は、昨年自社のシェアを食おうとした相手、本来乗れる話ではない。しかし彼は、「買収は出来ないが、話し合いはする」と約束した。いつ何時、どんな力が必要になるかわからない。だから、どんな相手も決して切り捨てることはない。
「最後は人で判断する」
いろいろなところから、提携話が持ち込まれる。彼は、「ビジネスは出会い系」といい、自らが出向いていって話をする。過去に、海外の出資者とともに共同で設立した新会社を相手に乗っ取られたり、いろいろ苦い経験もした。
その中から掴んだ信念。フェアな人は、自分にも他人にも甘いことは言わない。その人が、本当に考え抜いた言葉で、真摯に訴えるとき、彼はリスクをともに背負う決断をする*1
「夢の大きさ=不安の大きさ」
大きなプロジェクトを手がけたまま、赤字が続いている部署があった。
契約している工場が、生産ラインを動かすための決断の日が迫る。彼は、担当責任者に売り上げの見積もりを出させた。責任者は、新しい巨大市場に売り込みを掛けられるとして、強気の数字を並べた。
彼は、量産化へのゴーサインを出した。
夢を追いかけるのには、リスクは覚悟しなければならない。彼の決断だった。
開発担当者は、自ら営業に飛び回る。彼もまた、眠れぬ勝負の日々が続く。

*1:「甘い言葉を吐かないやつが本当の戦友になれる」