ラスト・ニンジャ

昨夜NHKで放送していた「ラスト・ニンジャ」を録画しておいたので、見てみた。
今回登場したのは甲賀者。
隠密作戦に長け、生物化学兵器まで使用したゲリラ戦のプロ。
初めは特定の領主を持たない傭兵集団だったものが、その力を恐れた豊臣秀吉によって先祖伝来の土地を追われ、関が原の合戦で徳川方についた、とか。
でも、実戦で華々しく戦ったのは事実上ここまでで、島原の乱で志願した者のうち10名ほどが現場に行ったものの、城内に潜入したはいいが話し合いの内容が方言のせいでさっぱりわからなかったとか*1、潜入したら掘られていた穴倉に落っこちて城内大騒ぎ、石を投げつけられて2名が半死半生になったとか……
この時点で、精鋭集団ではなくなってたんだねえ。
関が原の合戦後、故郷の土地に戻ったものの、新たにやってきた代官に土地の支配権を奪われたままで、もう一度自分の土地は自分で治めたいと、秘伝書を幕府に差し出したのにけんもほろろの扱いをされて……
これ以降、秘伝書を差し出した当時の当主大原数馬という人は、自分の息子に忍術ではなく医術の修行をさせ、それ以後大原数馬の名を受け継いだ代々の当主は、医者として幕府に仕えたという。
医者のほうが出世したそうだし、戦略としては正しかったんだなあ。
そして、番組のラストは1枚の写真。
それは、幕末を生きた最後の大原数馬の写真。
大原家はいまだに甲賀の地に命脈をつないでいるが*2、今は普通の農家なんだろうか。
最後の忍者の末裔が見た世界は、どんなものだったんだろうか。

*1:かつての彼らなら、全国的な情報ネットワークが存在したため、そんなことはなかったはず

*2:そのため、忍者関係の大量の古文書が伝わっている