プロフェッショナル

「プロフェッショナル 仕事の流儀」先週録画分を見る。
今回は、かつて7冠に輝いたこともある、天才といわれたプロ棋士
その人は、千駄ヶ谷にある将棋会館まで電車で通い、駅から会館までの2kmの道のりを、ただ無心になって歩く。到着は、対局開始3分前。
かつては、“千手先まで読む”といわれたが、今はそうではなく、“大局を読む”ように心がけている。
対局の際、いつも心に思い浮かべる言葉がある。
「玲瓏(れいろう)」
玲瓏とは、透き通り、曇りのないさまであるという。
手を読むのではなく、曇りなき気持ちで大局を見据える。
「直感は経験で磨く」
若くして7冠を取った後、なんとなく不安にかられ、気持ちが守りに入ってしまった。いつしか、次々とタイトルを失い、最後には1冠となってしまった。
そのとき、ベテラン棋士たちが、若手と対局する様を見て、「才能とは、努力を継続できる力」であると気づく。
勝ち負けにこだわらず、生涯をかけて自分の将棋を極めると決めたとき、直感を信じる今の差し方が見えた。
その直感も、果てしない対局の果てに、磨かれていくのだ。
「リスクなくして成長なし」
ときに、賞金やタイトルがかかった対局でも、思い切った一手を差すことがある。
負けることもあるが、実戦で実験的な攻めを試すことが出来れば、最終的には自分の成長につながるからだ。
そして、同い年のライバル棋士との対局で、それを行った。
その人との対局は、3連敗中。だが、思い切った手を差した。そして果敢に攻め続け、遂に勝利した。
彼は今も、自分の将棋を極める道を、歩き続ける。