確かに“禍ツ神”だな

昨日NHKBSプレミアムで放送されていたドキュメンタリーを見る。


ゴジラの大逆襲〜お前は何者なのか〜」


これはまさに1954年(昭和29年)に封切られた「ゴジラ」から始まり、ハリウッドの最新作「GODZILLA」(2014年)までのゴジラの歴史を、関係者のインタビューでつづるという形で構成したものだ。
ただ……
1998年に公開されたローランド・エメリッヒ監督作品は、なかったことにされてるっぽい(苦笑)。
まあ、あれはどう考えても黒歴史だわな。
それはさておき、最初のゴジラが1956年にアメリカで公開されるとき、いろいろ内容を細かく変えていたことを知った。
当時まだ色濃かった戦後の雰囲気部分や、核に関する個所などをカットし、その代り狂言回し役として“たまたま東京に滞在していたアメリカ人記者”のシーンを挿入、メッセージ性を薄めてパニックアクション映画としてすんなり見られる内容にしたという。
ちなみに、オリジナル版のゴジラアメリカで公開されたのは、2004年になってからだという。
ラストシーンまで変えてあったら、だいぶ雰囲気変わるわな。
アメリカ版では、ラストシーンは「尊い犠牲は払ったが、怪獣は退治された。これから人類は平和に暮らせるだろう」というニュアンスになっていたという。
う〜〜ん。
「あれが最後のゴジラとは思えない」という名セリフがカットかあ。
まあ、当時はそうしないと見てはもらえなかったのだろうけど。そうやって内容を少し変えたせいで、アメリカでもゴジラは大ヒットして、今でも熱狂的なファンがいるキャラクターとなったのだしね。
ゴジラとは一体、なんだろう。
インタビューに答えていた人が話していたが、“禍ツ神”というのが私は一番しっくりくるんだよな。
人知の及ばない、絶対的な破壊の神。怪獣の姿はしているけれど、あれはやはり日本人のイマジネーションが生んだ“神”なのだと思う。
最新作のハリウッド版ゴジラはさすがに違うらしいが、アメリカ人の考える“怪獣”は人類の敵にして乗り越えるべき存在。日本人が考える“怪獣(ゴジラ)”は畏怖すべき大いなる存在。
そのニュアンスの違いが、いろいろな違いを生んでるんだろうと思う。


今日の深夜には、あの「ゴジラのテーマ」を作曲した人の物語だ。もちろん録画。
後でもう一度まとめ鑑賞するか。