あの日から

東日本大震災から、明日で一年。そして、震災の記憶が生々しくて注目を浴びていないが、昭和20年の東京大空襲からちょうど67年。
片や戦争、片や自然災害ということで、大きな違いはあるが、大勢の人々が短時間で亡くなったという意味では、どちらも同じ祈るべき日だ。
今、空襲について語れる人がどんどんいなくなっているということを考えると、この震災もいつか風化し、津波の恐ろしさを忘れて海辺に住むようになり、同じ轍を踏みかねない。
人間は、忘れる生き物なのだ。
もしかしたら、すでに風化は始まっているのかもしれない。
本当は、“1000年に1度の大災害”でひとくくりにしてしまってはいけない。
どうしてこんなことになってしまったのだろう、と考え続けなくてはいけない。
考え続けてはじめて、亡くなった人に報いることができるような気がする