プロフェッショナル

「プロフェッショナル仕事の流儀」先週放送分を見る。
今回は、水族館で飼育されている海獣を診察する海獣医師の女性。
陸の動物以上に、生態がわかっていないのが海の動物達。
その動物達を、ときにかつての経験を元に、ときに試行錯誤を繰り返しながら見守る海獣医師のパイオニアだ。
「覚悟を決めて、攻める」
それは、彼女自身の経験からきている。かつて、“いつもの治療”を続けて可愛がっていたシャチを手遅れで死なせてしまった経験から、“様子見はせず、覚悟を持って積極的に治療を行う”ことを心がけるようになった*1
特に海の生き物たちは、弱くみせるとたちまち餌食となってしまうことから、本当に悪くなるまでギリギリ普通と変わらない様子を見せることがあるから。
「できることは、あきらめないこと」
たとえ最悪の状態がちらつく事態になったとしても、過去の経験などさまざまなものを動員して、出来うる限りの事を行う。
カマイルカの子供がやせ細って衰弱したときも、餌を工夫し、ペンギンの飼育のときの経験まで踏まえ、遂には危機を脱することができた*2
家に帰ればごく普通の主婦である彼女だが、職場では逞しく飼育係を率いている。
命と向き合う、肝っ玉かあちゃんである。

*1:積極的な治療が、ときに繊細な海獣たちには余計なストレスとなり、かえって命を落とす結果にも繋がる場合がある。だから“覚悟を決める”のだ

*2:初めは流動食を与えていたが、ペンギンの飼育のときの経験から、すでに乳離れの時期に来て、魚を食べられるのではないかと考え、魚を与えた。それは実を結んだ