プロフェッショナル

「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見る。
今週放送分は、40近いプロジェクトを同時進行するライティング・デザイナーが登場。
六本木の並木のライトアップも、表参道ヒルズのライトアップも、羽田空港第2ターミナルのライトアップも、彼の仕事。
彼は、こういう。
「建物を照らすのではない。本質を照らせ」
ただ、明るくすればいというものではない。建物が、どういう場所に建っているのか、その本質を見極めなければならない。
よって、彼は建物ではなく、その周囲を歩き回って、それを掴む。
「本質は建物の周囲にある」
だから、ときに建物を照らさないことさえある。
若い頃、最先端に憧れ、故郷である京都を飛び出して東京にやってきた。そして独立したものの、仕事はない。そして、やむを得ない事情で京都に戻る。
それから京都の良さがわかってきて、手がけたのが、宇治の平等院鳳凰堂のライトアップの仕事。
寺からは、こういう注文が出された。
「私たちも見たことがない平等院を見せてください」
彼が、近くの川の水面を眺めながらふと思いついた方法が、鳳凰堂の周囲に広がる池に光を当てるというもの。
水面に反射した光が、幻想的な揺れる光で鳳凰堂を照らしだした。
彼は、スケッチのほうがイメージが伝わるという。そこで、光と影を両方描き込むことが出来る灰色の画用紙を携えている。
そして、彼が手がけたのは、ある温泉街の町起こしイベント。
彼が考えついたのは、数え切れないロウソクを、地元の人と灯すイベント。
温泉客にも、提灯を持って参加してもらう。
「手間をかけたものほど伝わる」
温泉町に、無数のロウソクの明かりが揺れ、裏山が仄かに照らされる。
光は、人々の絆も照らし出す。